みなさんは「床下浸水」と聞くとどのようなイメージをするでしょうか。台風や局所的な豪雨などにより大雨の被害や、川の氾濫など大規模な災害が発生した際に床下浸水が起きるというイメージを持たれている方がほとんどではないかと思います。しかし実は床下浸水は大規模な災害時以外にも発生する、意外と身近なトラブルのひとつです。では一体何が原因で災害時以外に床下浸水は発生するのでしょうか。思わぬトラブルを避けるためにも、ここで床下浸水を引き起こす原因について確認していきましょう。
床下浸水の定義
床下浸水という言葉を、初めて聞いたという方も多いかもしれません。テレビのニュースや新聞などで目にする程度で、実際はあまり身近な言葉ではないことは確かです。しかしどのような住宅に住んでいる人も、水が近くにある環境であれば、床下浸水のトラブルに遭ってしまう可能性はあります。万が一の際にしっかりと対策できるよう、まずはここで床下浸水の定義について一緒に確認しておきましょう。
床下で留まる浸水もしくは浸水深さが50cm未満
床下浸水の定義定義は、消防庁の「災害報告取扱要領」と国土交通省の「川の防災情報」に記載のある二つの規定をベースに考えると、
・床上浸水にいたらない程度に浸水したもの
・浸水深さが50cm未満の場合
となります。もう少し分かりやすく解釈すると、床の上に水は届いていないけれど床下は浸水している状態、もしくは浸水の深さが50cm未満である浸水被害を、「床下浸水」と言います。
◎参考:災害報告取扱要領/消防庁
https://www.fdma.go.jp/laws/laws/items/h3104_houkoku_youryou.pdf
◎参考:川の防災情報/国土交通省
https://city.river.go.jp/kawabou/reference/index05.html
浸水深さが50cm以上は床上浸水
床下浸水の定義と一緒に覚えておきたいのが、「床上浸水」です。床上浸水とは、一般的には浸水深さが50cm以上の浸水被害のことを示します。この50cmという根拠は一般的な住宅の床高からきており、床高のほとんどが50cmとして設計されているためと考えられます。特殊な地形は除きますがほとんどがこの住宅設計に当てはまるため、床下浸水と判断するための指標として使われています。災害の場合の床上浸水は、火災保険の「水災」補償が該当する場合が多いため、万が一被害に遭われた方は一度火災保険の相談窓口に相談しましょう。
床下浸水を放置するとどうなる?
床下浸水が発生した自宅やマンションは、住人にとって「住んでいて問題ない」と感じる程度でも必ず浸水部分の修理を行わなければなりません。特に木造住宅にお住いの方は被害をより受けやすいため気を付けなければなりません。ではなぜ木造住宅が被害を受けやすいのでしょうか。ここでは木造住宅が床下浸水を起こし気付かずに放置してしまった際に、どんなことが起きるか解説していきたいと思います。
建物の木材部分が腐敗する
木材を腐らせる原因は「水と酸素」です。この2つがそろうことにより腐敗が進んでいきます。逆に言えば水の中にずっとある木材であれば酸素に触れることはありませんので腐敗は進みませんが、床下浸水のように本来ない場所に一時的に水が浸水してしまった場合、水はずっと留まることは少なく、やがて浸水してきた水は引いて行きます。そうなると水にさらされた木材が酸素に触れることになってしまいます。この時住宅の床下浸水の被害にあった木造部分は「水と酸素」という2つの条件を満たした状態になり、木材のもつ特性により腐敗へとつながってしまうのです。床下浸水したすぐその場では変化には気付かないことがほとんどです。そのため適切な処置が出来ず放置してしまうことで腐敗が進み、やがて大切な基礎や床下部分がボロボロになってしまいます。
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シロアリや害虫の発生
床下浸水をしたままにしてしまうと、床下の環境はジメジメと湿気がある状況になります。床下浸水そのものはシロアリの被害を招きませんが、放置してしまったことで発生した湿気にシロアリが集まってきてしまいます。シロアリは湿気を好む性質があるため、この床下浸水後の床下の環境は過ごすのにとてもいい環境です。またシロアリは木材を蝕んでいってしまうため、シロアリの発生は住宅の大切な木材部分が食い尽くされてボロボロにされてしまう可能性が高まります。シロアリ以外にも、コバエやゴキブリなどの害虫が発生することもあります。ジメジメした暗い場所は、害虫が好むため、対処をしないで放置しておくとあっという間に大量の害虫が発生してしまうのです。コバエやゴキブリは繁殖能力が特に高いため、対策が遅れると家中に住み着かれてしまいます。
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カビの発生
湿気はシロアリだけではなくカビを発生させてしまいます。カビは高温多湿な環境を好むため、夏場などに床下浸水が発生した場合はカビの繁殖がより広がってしまう可能性があります。またカビの胞子などを人間が吸い込んでしまうことによってアレルギー性肺炎を引き起こすこともあり、健康被害につながります。特に重症化しやすい小さなお子さんや高齢者がいるご家庭では注意が必要です。
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電気系統のトラブル
床下浸水を放置することで、床下にある電気系統がトラブルを起こす可能性があります。特に長時間の放置では、ショートや漏電、最悪の場合は火災が発生することもあります。ショートや漏電に気付かずにいると、家の中で感電をしてしまったり、家電が壊れる原因にもつながります。火災はショートが引き金となって、配線や電気機器が過熱し、最終的に火災を引き起こす可能性があります。
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床下浸水の原因は水漏れの可能性がある
本記事のタイトルにもある通り、床下浸水は台風などの災害意外に水漏れから知らない間に床下浸水に発展している可能性があるのです。ではどんな状況の時に床下浸水が発生するのでしょうか。どの住宅でも起こる可能性のある床下浸水について解説していきます。
給水管からの水漏れ
住宅には水道管からつながる給水管が通っており、住宅内の全ての蛇口につながっています。給水管は水をとどこおりなく蛇口に届けるために常に一定の圧力がかかっています。普段の私たちの生活には欠かせない給水管のシステムですが、トラブルが発生した際は圧力がかかっているため水力が強く水漏れ被害が短時間で住宅の広範囲に広がってしまうことがあります。住宅設備の水漏れトラブルのコマーシャルや広告などを見ると、分かりやすく蛇口から水が噴射しているような描写がありますが場合によってはそのような事態になることもあります。そのため給水管の水漏れが床下部分で発生してしまうと、ドバドバと床下に勢いよく水が流れ込んでしまいあっという間に大きな被害に発展してしまうのです。
排水管からの水漏れ
住宅には給水管の他に排水管というものが存在します。その文字の通り使用した水を排水するためにある配管です。給水管のように水を蛇口に届ける必要がないため特別な圧力がかかっておらず、住宅内で起きる排水管の水漏れトラブルは滴り落ちるようなゆるやかな水漏れが多く、気付きにくいのが特徴です。しかしこの気付きにくい点もまた大きな被害に発展する可能性がある原因のひとつです。特に床下で配管の破損などにより水漏れが発生している場合は気付きにくく、異臭に気付いて床下を開けた時には床下一体が汚水まみれになっていたなんてこともあります。また汚水ですので様々な雑菌などを含んでおり、害虫がより好むような環境になってしまい不衛生な環境を生み出してしまいます。
雨漏り
水回り設備からの水漏れが原因ではない場合、雨漏りの可能性も考えられます。屋根や外壁から雨水が室内に侵入し、床下部分に溜まってしまうことで、床下浸水のような状態になることがあります。雨漏りによる床下浸水の場合は、まずは雨漏り箇所の特定をしてから修理する必要がありますが、コの雨漏り箇所の特定が業者であっても難しく時間がかかることもあります。被害の拡大を防ぐために、床下に雨漏りが溜まっていることに気付いた場合は、すぐに業者に連絡する必要があります。
洪水や河川の氾濫による被害
大雨が続いている場合は、お住まいの地域によっては洪水や河川の氾濫リスクがあります。洪水や河川が氾濫すると、床上浸水まではいかなくても、床下浸水で建物の基礎部分が水に晒されてしまうこともあります。近くで大きい災害が発生していたり、河川の氾濫があった場合は、自宅が床下浸水の被害に遭う可能性もあるため注意しましょう。
施工不良
なかには施工不良で床下浸水の被害に遭ってしまう方がいます。施工不良では、排水経路がきちんと取れていなかったり、設備の設置がしっかりとできていない場合に発生します。例えば、雨水が上手く排水されなかったり、室内設備から水漏れが発生したりすることで、基礎部分に雨水や水漏れの水が溜まって行ってしまい、床下浸水のような状態になってしまうことがあります。こうした被害に遭わないためには、きちんとした業者選びが大切です。
床下浸水かもしれないと思ったら、まずは水道工事業者に依頼しよう!
天候に関係なく配管トラブルにより発生してしまった床下浸水、あるいはなぜ床下浸水が発生しているか分からないという場合はまずは水道工事業者に現場を見てもらうことをおすすめします。住宅に欠陥がある場合の修理は住宅の施工会社の範囲となりますが、最初から床下浸水の原因が住宅設備だと特定することは難しく、また排水管関係であれば緊急性が高く水道工事業者の修理範囲となるため、原因が分からない時は水道工事業者に最初連絡しておくと安心です。しかし水道工事業者といっても初めて依頼する方にとっては、どんな業者を選べばいいか分からないですよね。緊急時ともなればすぐに呼ばなければならないため相見積もりを依頼する時間もないこともあります。そんな方のためにこれだけ注意して見ておけば大丈夫という水道工事業者の見極め方を解説します。
水道指定業者を選ぶ
聞きなれない言葉だなと思われた方が多いかもしれませんが、水道局指定業者とは簡単に言えば水道法、もしくは自治体が定める法律・法令に則り、適切な水道工事ができる水道業者のことを指します。つまり水道工事におけるスペシャリストのことですね。技術や知識が自治体に認められている優秀な業者のためどんな工事も安心して任せることができ、業者の身元もハッキリしているため初めて依頼する方にもおすすめです。業者のホームページなどに水道指定業者である記載があるのを確認するか、分からない場合は業者に直接確認してみてもいいかもしれません。
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出張見積もり無料の業者を選ぶ
どんなに緊急でも工事前には必ず見積もりを貰ってからにしましょう。見積もりの内容に家族で話し合わなければならない、今すぐ決断を出せないなんてこともあるかもしれません。そんな時に出張見積もり無料の業者を選んでおくと見積もりの段階で費用もかからず経済的な負担も抑えることができます。ただしすぐに駆けつけてもらうために、まずはお住いの地域が業者の対象エリアかを調べておく必要があります。対象エリアから外れてしまっていると時間がかかる上に出張代を請求されてしまうこともあります。
作業実績が多い業者を選ぶ
全ての業者に当てはまるわけではありませんが、ホームページなどで作業実績を紹介している業者を選ぶとより安心です。作業実績が多いということはそれだけ経験豊富であり対応できるスタッフがいるという証明にもなりますので、初めて依頼する業者であればこうした面も確認しておくと安心ですよ。確認方法は業者のホームページを見るのが一番確実です。まめな業者であれば今までの作業実績の写真を載せていたり、解説をしてくれている業者もあります。実際に施工した写真などがあると目で見て分かりやすく確認することができるので安心です。
まとめ
弊社では水回りトラブルの無料お見積り、修理を行っておりますのでお困りの際は是非ご連絡ください。関東エリア・東北エリア・東海エリア・関西エリアの各拠点にスタッフが待機しておりますので、お問い合わせから最短20分で駆けつけます。不安なことがありましたら是非ご連絡ください。