雨が降った時や降雨後にマンションのベランダがプールのように水浸しになっていたら、どうしますか?また、ベランダから水漏れが発生していたら驚くことでしょう。マンションでは他の住人への被害にも敏感になるため、深刻な問題となる可能性があります。こういった水漏れトラブルは実は秋以降に頻発しやすく、その原因の一つとしてよくあるのが排水管の詰まりです。排水管の不具合があるとベランダに水が溜まり、水漏れを引き起こします。水漏れトラブルを予防するためには正しく原因を理解し、対策をとることが大切です。そこで今回のコラムでは、マンションのベランダから水漏れする原因やその対処法について、詳しく解説をしていきます。
排水管から水漏れする原因とは?
ベランダを見ても排水管が見えているわけではありませんので、いまいちピンとこないという方もいらっしゃるかと思います。ベランダには人が歩くのに影響がない程度の傾斜が排水口に向かってついています。雨などがふるとその傾斜を辿り排水口へ流れ込み、排水口から排水管(雨水管)を通って敷地外へと流れていく仕組みになっています。建物をよく見てみるとベランダに沿って配管があるのが見えると思います。最近では外観に合わせて色が付いたものが多く、ぱっと見では分かりにくくなっておりますが、建物に沿って設置されているものが雨水を流す排水管に該当します。それではここからは排水管がなぜ水漏れを起こすか、その原因を一緒に見ていきましょう。
経年劣化による排水管の破損
配管の耐用年数は一般的に15年程度とされています。これは税法というもので定められたものですが、実際には15年以上問題なく使える場合もありますし、15年に到達する前に修理が必要になるケースもあります。配管とひとことで言っても使用されている素材などは様々ですので、素材によっても耐用年数は変わってきます。しかしどの素材を使っていても必ずメンテナンスは必要になります。排水管の一部は外にさらされており、雨風や紫外線の影響を常に受けているため、メンテナンスを行わないと経年劣化により破損することがあります。何も衝撃を加えていなくても劣化が進むと排水管がひび割れを起こすこともありますし、内部でつまっていると排水機能が上手く働かず雨水がベランダに溜まってしまいます。
落ち葉やゴミの詰まり
上記でつまりがあると排水機能が上手く働かないと説明をしましたが、このつまりというのが落ち葉やホコリやチリなどのゴミによるものです。冒頭で秋以降は水漏れトラブルが多いと書いていますが、これは春夏で生い茂った草木が枯れ秋以降落ち葉や枯れ木となって落ちてきます。これらが運悪く排水管内に入り込んでしまったり、排水口を塞いでしまうことによりつまりの原因を生み出してしまうのです。
無視の死骸による詰まり
排水管の詰まりで上記のような落ち葉やホコリ、チリによる詰まりを想像する方は多いですが、実は同じくらい発生するのが虫の死骸による詰まりです。特に夏の時期はセミの死骸やゴキブリなどの害虫の死骸が発生しやすく、雨や風によってベランダの排水溝部分に流され、そこで長期間放置されることで死骸が分解され排水管内に流れていきます。分解されたり腐った死体は、ドロドロした液体が出てきてしまうため、どうしても配管内を塞いでしまいやすい傾向にあります。また虫の死骸にさらに虫が寄ってくることで、虫の発生率があがり、排水管内の環境が悪くなってしまいやすいのです。
衝撃による排水管の破損
台風や突風などで飛んできた飛来物が排水管に直撃し破損をしてしまったり、地震などにより排水管が破損してしまうということも実際にはあります。特に経年劣化が進んだ排水管であればあるほどもろくなっているため、飛来物や地震などの衝撃を受けやすく水漏れを起こす可能性があります。
排水管から水漏れするとどうなる?
排水管から水漏れするとどうなるか、ベランダが水浸しになる経験はそう滅多にあるものではありませんので、いまいちピンとこないという方もいらっしゃるのではないかと思います。ここからはマンションの排水管から水漏れが発生した場合、どのような二次被害につながるのか解説をしていきます。
室内に流れ込み床上浸水を起こす
排水口がふさがっていたり、排水管の排水機能が上手く機能していない場合、自宅のベランダがまず最初に水浸しになります。こうなってしまうとベランダがプールのような状態になります。ベランダには手すり下部部分に隙間があることがほとんどですが、溢れた分は下階へ流れ続け、室内には窓枠から徐々に浸水していく事になり最悪の場合床上浸水にまで発展します。夜間に大雨が降ってベランダがプール状態になっていてもカーテンを閉めている事で気付けず、朝足元を確認せずに窓を開けてしまいベランダの水が室内に流れ込むなんてこともありますし、夜中のうちに窓際から室内側に浸水が進んでしまっていたということもあります。室内側に浸水してしまうと下階の天井部分に雨漏りが伝わり、自分の室内だけではなく下階の天井を雨漏りにさらしてしまうなんてこともあります。また床上浸水はフローリングなどを腐らせる原因にもなるため、運悪く家を空けていたなんて日には大変です。
下の階の住戸へ水漏れする
排水管の亀裂部分や上記のようなベランダ手すり下部からの水漏れ、室内側からの水漏れなどが原因となりマンション下階への住人に影響を及ぼす可能性があります。そんな事そうそう起こらない、そこまで心配するのは少し過敏過ぎるのではと思う方もいらっしゃいます。しかし実際に集中豪雨などでバルコニーからの浸水がきっかけで下階への雨漏り被害へ発展したケースがあります。滅多に起きないように感じますが実際には誰にでも起こりうることなのです。バルコニーの排水管は共有部分ではありますが、水漏れの原因やマンションの特約などによっては管理側ではなく水漏れを起こした住人が賠償を行わなければいけないケースもありますので、お住いのマンションがどのような取り決めになっているのか確認しておくと安心です。
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カビが発生する
排水菅から水漏れした場合、床上浸水を引き起こしたり、建物の構造部分に流れ込んでしまうことがあります。床上浸水のように見て分かる水漏れトラブルならすぐに対応できても、建物の構造部分に水が流れ込んでいても築けないことが多く、長期間水に濡れたまま放置してしまうことはよくあります。しかし長期間建物の構造部分が雨水に晒されることで、建物の構造部分が腐敗したり、カビが発生してしまうことがあります。カビは人体に有害な胞子を放出して繁殖活動を行うため、人間がその胞子を吸い込むことでアレルギー症状を引き起こしてしまうこともあります。カビの胞子は目に見えない分厄介で、カビによるアレルギー症状が出ていても、風邪だと勘違いしてしまう方も多いので注意が必要です。小さいお子さんや高齢の家族、基礎疾患がある方が一緒に住んでいる場合は、命の危険につながる可能性もあるため注意したいところです。
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漏電や家電の故障リスクがある
排水菅からの水漏れを放置することで、壁の中や構造体を伝って雨水が入り込み、電気配線に悪影響を及ぼすことがあります。基本的に配線部分は少し水が降れたくらいでは問題のないようになっていますが、長期間雨水に晒されることで、配線を覆っているカバーが腐食し漏電が発生することがあります。漏電が発生すると、家の中で感電して怪我をしてしまったり、家電が故障してしまう可能性があるため気をつけなければいけません。また冬の時期は、漏電した部分のホコリや静電気によって『漏電火災』が発生する可能性も高まりますので、決して軽視できない問題のひとつです。雨漏りから漏電に発展するケースは多いため、家電の調子が悪かったり、家の中にいて電気のような刺激を感じた場合は注意が必要です。
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断熱材の性能が低下する
雨漏りで注意したいのが、建物構造体のみの影響だけではなく、断熱材への影響です。断熱材は冬は暖かく、夏は涼しく室内を保ってくれる欠かせない住宅建材ではあるものの、雨水には弱い一面があります。そのため雨水に断熱材が晒されることで、断熱材の性能が低下し、住宅全体の熱効率が低下してしまう可能性があります。断熱材の機能が弱まっている住宅では、冷暖房費が高くなる傾向にあるため、冷暖房の効きが悪いと感じたり高くなっている場合は注意が必要です。また濡れた断熱材というものは、害虫の一種であるシロアリが好物としているものでもあります。濡れた断熱材を放置することで、どこからともなくシロアリが住宅内に侵入してきてしまい、断熱材や建物の建材を食べてしまうなんてことも考えられます。雨漏りによる断熱材の影響は、多方面で注意が必要です。
マンションのベランダからの水漏れを防ぐ方法は?
マンションのベランダからの水漏れは、被害が酷くなると自分や下階の住人への被害が大きく後処理などもとても大変になります。上記でも触れましたが配管部分は共有部分として管理側が維持管理する取り決めとなっているのが一般的ですので、配管のメンテナンスというのは実際は個人で行うケースは少ないです。それでは個人でマンションのベランダからの水漏れを防ぐ方法はないのか、と言われればそんなことはありません。専有部分も共有部分も水漏れをしないように日頃から気を付けていくのは、マンション住人の義務でもあります。ほったらかしだという方はこれからご紹介するベランダの水漏れを防ぐ方法を実践してみてくださいね。
排水口を定期的に清掃する
排水口を定期的に清掃すると、排水口を塞ぐゴミなどを除去することができるため、排水がスムーズにできるようになります。排水口が完全に埋まっていなくても少し落ち葉がかぶさっているだけで排水を妨害してしまい、バルコニーからの水はけが悪かったり水溜まりのようになってしまうことがあります。また排水口付近の落ち葉が時間と共に腐っていきヘドロのようになって排水管に流れ込み、排水管内をつまらせてしまうこともあります。このようなことを防止するためにもまずは排水口を定期的に掃除するクセをつけるようにしましょう。
砂利や落ち葉を排水管へ流さないようにする
掃除をしている時にうっかり排水口に向かって箒をはいてしまった、なんてこともあるかもしれません。一見何でもないありがちな話だと思いますが、砂利などの小さなものが排水管内にたまってしまうとつまりの原因となるため注意が必要です。また排水管内でヘドロのような汚れが既にできてしまっている場合、通常であれば雨水で問題なく流されてしまうような小さな砂利でもヘドロ汚れと一緒になると大きな汚れの一部となってしまいます。排水口を外して掃除をする際には落ち葉などを落とさないように気を付けましょう。
異物を落としてしまったらすぐに取り除く
掃除の際に異物を落としてしまった、などといった場合は管理会社や大家さんに相談した上で業者を呼び取り除いてもらうようにしましょう。その時は何でもなくても雨が降った際などにつまりの原因となり、水漏れトラブルにつながる可能性があります。しかし排水管の中から異物を取り除くのは個人で対応するには難しい場合もありますので、そういった場合は無理をせずすぐにプロの業者に連絡するようにしましょう。
プロの業者の点検サービスを利用する
ベランダの水漏れを予防していくためには、プロの業者の力を借りるというのもひとつの方法です。水回り設備や住宅設備は、基本的に年に1回程度の業者による点検が推奨されています。これは単に業者がお金儲けをするためではありません。短いスパンで定期的に点検をしていくことで、修理が必要な個所を探し出し、水漏れや雨漏りが発生する前に先回りして対処することができます。また、部品交換などもそのまま一括して任せることができるため、自分で点検をして合う部品を探すといった手間を省くことができます。「うちは大丈夫」と思っていても実は劣化が進んでいた、水漏れトラブルが発生していた、なんてこともよくありますので、プロの業者の点検サービスは積極的に利用するようにしましょう。
まとめ
弊社では水回りトラブルの無料お見積り、修理を行っておりますのでお困りの際は是非ご連絡ください。関東エリア・東北エリア・東海エリア・関西エリアの各拠点にスタッフが待機しておりますので、お問い合わせから最短20分で駆けつけます。不安なことがありましたら是非ご連絡ください。