お風呂は毎日掃除しているという方でも、お風呂の天井を毎日掃除しているという方はあまりいません。お風呂の天井はなかなか掃除の意識がいきにくく、普段ずっと目に触れているものでもないため「気付いたらカビが生えていた」なんて事もよくある事です。しかしカビは健康に害をもたらす一面もあるため放置をするのも危険ですし、お風呂は本来体を清潔にする場所ですので衛生面も気になりますよね。今回はそんな気付いたら出来てしまっていたお風呂天井のカビを掃除する方法と、カビの再発を防止する方法のご紹介をしていきます。
お風呂にカビはどうして発生するの?
お風呂場をいつも清潔にしているのにカビが発生してしまう・・・ということはありませんか? 実はお風呂場はカビが繁殖する上で好条件か環境が揃いやすい場所でもあります。またカビは最初の段階では目に見えなく仮に発生していても気付きにくい特徴もあり、お風呂天井のカビに気付いた時には既に広範囲に根深く繁殖してしまっていたなんてこともよくあります。ここではお風呂天井にカビが発生してしまう原因について解説をしていきます。原因を知っておくと予防することもできますので、カビが発生する原因について一緒に確認していきましょう。
湿度が65%以上
カビが繁殖する条件のひとつは「湿気」です。具体的には65%以上の湿度になった時にカビは発生しやすいと言われています。お風呂は締め切った状態でお風呂のお湯をはっていたり、シャワーを使ったりするためすぐに65%以上になってしまいます。入っている時間だけであれば問題ありませんが、人がお風呂を出た後もしばらくその状況が継続してしまうため、カビにとっては活動しやすい環境になってしまいます。一般的なお部屋の湿度は40~50%程度と言われており、70%を超えると「むわっとするな」「ちょっと息苦しさがあるな」「肌がべだつくな」と不快感を感じるレベルになります。お風呂場に入った時にこのような事を感じた事はありませんか? 一回一回湿度計で測らなくても体感でこういった状況になってしまっていると、カビが好む環境になってしまっているため注意が必要です。
室温が25度以上
カビはキッチンや洗面所、外壁部分などの様々な場所で発生しますが、特に発生しやすいのは室温が高くなりやすい浴室内です。カビは温度が25度以上で活動が活発になりやすいため、お湯を使う浴室では冬場でも使用後は25度以上になりやすくカビが好む環境になってしまいます。カビは寒い中でも活動は可能ですが、特に25度~30度の間で一番活発になると言われています。一年を通して浴室内使用中や使用後はは25度~30度になりやすいため、カビにとって浴室内は繁殖するために適した気温であると言えます。
浴室内の汚れ
活動するためはどんな生命体にも栄養は必要です。カビも同様で、栄養を取りながら繁殖範囲を広めていきます。お風呂場で発生するカビは、「水垢」「人の肌や皮脂などの垢」「石鹸カス」を養分にして繁殖をしていきます。石鹸カスや人の肌の垢は天井に付かないのでは? と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、カビは胞子を飛ばして繁殖範囲を広げていくため実はあまり関係ありません。人が体を洗う部分から繁殖をして天井の方に活動場所を広げるため浴室内にカビが好む栄養さえあれば繁殖活動が可能ということです。
お風呂に派生するカビの種類は?
お風呂のカビが発生する原因について、知っていただくことができたかと思います。しかし、一言にお風呂のカビと言っても、その種類はさまざまです。カビは自然界に存在する菌の一種で、何万種類ものカビが存在すると言われています。また毎年のように新種が発見されるほど、とても多くのカビが存在しています。しかしお風呂場に発生するカビは、大体決まっています。カビの特徴や種類を知っておくことで、カビの掃除や予防法にも役立ちますので、ここではお風呂に発生しやすいカビについて解説していきます。
黒カビ
黒カビは比較的水回り設備にできやすいカビの一種で、古くなったお風呂などで見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。黒カビという名前ではあるものの、色は黒色だけではなく茶色に近い色の黒カビも存在しています。浴室のタイルの目地やゴムパッキンなどに特によく見られます。色が濃いカビですので、比較的見つけやすいカビです。触ると粉っぽさや、綿埃のようなふわっとした感触があります。臭いは特有のカビ臭さがあり、黒カビが発生していると浴室を開けた時に嫌な臭いがすることもあります。
青カビ
青カビは、緑がかった青色のカビのことで、「銅石鹸」と呼ばれることもあります。青カビは石鹸やシャンプーなどに含まれる界面活性剤と、体からでる垢や汚れなどが混ざり合い、お湯のなかに含まれる銅イオンと化学反応をすることで青色のカビが発生します。青カビは食べることができる種類も一部あり、その代表がブルーチーズです。ブルーチーズにおいては青カビの有毒物質を無害化するアンモニアが含まれているため、カビがついていても問題なく食べることができます。ただし、その他の種類においては、青カビは肝臓がんや腎臓がんの因子となり得る有害物質を含んでいることもあるため、基本的には自然発生した青カビは有毒物質であると覚えておきましょう。そのため、お風呂場にできてしまう青カビも安全なものではありません。
白カビ
白カビは、白っぽいふわふわしたカビで、特に湿度が高い場所に発生します。お風呂の壁や天井、シャンプーボトルの底などに発生することがあります。お風呂場の白カビは水気を含んでいるため、触るとヌルッとすることも多いです。特にシャンプーボトルの裏側についてしまう白カビは、ヌルヌルしているためシャンプーなどの石鹸類が付いていると思い込んで、そのまま触ってしまっている方が多いです。黒カビや青カビと比較すると比較的毒性が高くないカビではあるものの、長期間触れたり吸い込んでしまうことで、アレルギー症状を発症することもあり注意が必要です。
赤カビ
赤カビはピンク色や赤っぽい色をした酵母で、お風呂場のシャンプー台や排水口、シャワーカーテンなどに見られます。厳密には「カビ」ではなく、酵母の一種です。「紅色酵母」が正式名称ですが、「ピンク汚れ」「赤カビ」などと表現されることも多いです。赤カビ自体は特に気にするほどの毒性はないものの、雑菌が繁殖しやすいところにできる性質上、直接触れてしまうのは衛生面でもよくありません。また赤カビは繁殖スピードが以上に早く、黒カビの約2倍もの早さで繁殖範囲を広げていきます。油断しているとあっという間に赤カビがお風呂全体に広がっていきます。
お風呂のカビを放置するとどうなる?
お風呂はどうしても、住宅のなかでも特にカビが発生しやすい場所となりますので、気を付けているつもりでもいつの間にかカビができていた・・・なんてこともありますよね。しかし注意したいのが、お風呂のカビを放置することで発生する二次被害です。「触らなければ大丈夫」「そこまで敏感になる必要はない」と思われている方も多いかと思いますが、カビの放置によるデメリットが大きいため、油断は大敵です。では、お風呂のカビを放置することで、具体的にどのような二次被害が発生するのでしょうか。ここでは、お風呂のカビを放置することで発生するリスクや二次被害について、一緒に確認をしていきましょう。
健康への悪影響
カビの種類の解説部分で少し触れましたが、お風呂に発生するカビの多くは、健康へ悪影響を及ぼします。「カビを直接口に入れなければ問題はないのではないか」と考える方も多いのですが、カビは人間の肉眼には見えないような小さな胞子を飛ばしているため、実際のところカビがある空間で呼吸をするだけでカビは体内に入ってきてしまいます。気付かない間にカビの胞子を吸い込んでいる、という方は実はとても多いのです。若く体力がある方や、健康な方は大きな影響はなくても、断続的に吸い続けることでアレルギー症状を発症することがあります。小さなお子さんや高齢者、基礎疾患がある方などはアレルギー症状が重篤化してしまったり、肺炎を引き起こしてしまうこともあります。また、癌を発症する物質を含むカビもあるため、健康な方でも油断はできません。カビは健康への悪影響がとても大きいのです。
◎合わせて読みたい記事!
水回りのカビで発生する病気とは? 定期的な掃除でカビを予防しよう!
https://www.elife-suidou.com/2023/05/19/9982/
お風呂内の悪臭
カビは独特な臭いを放つため、お風呂の扉を開けるとうっとくるような悪臭がすることも多いです。体を綺麗にしてリラックスしたいはずのお風呂の時間が、カビから放たれる悪臭のせいで耐え難い時間になってしまいます。カビはカビそのものを取り除かない限り、一時的に換気で改善したとしても、カビの臭いが取れません。長期間放置することで、お風呂の蓋や洗面器などのプラスチック製品にカビの嫌な臭いが染み付いてしまうことも多いです。カビが発生するということは、汚れが溜まっているサインでもありますので、お風呂内部の衛生面も気になるところです。
建材の劣化
カビが生えることで、目地やゴムパッキンが黒く変色し、見た目が悪くなります。さらに進行すると、ゴムパッキンが劣化し、ひび割れや破損が生じ、修理が必要になることもあります。またカビが壁材やタイルに深く浸透すると、表面だけでなく内部にもダメージを与え、修繕が必要な状態になる可能性があります。こうしてお風呂全体の建材が劣化することで、お風呂の設備としての耐久性や寿命が短くなっていきます。想定よりもはやいタイミングでお風呂の交換作業が必要になってしまったり、建材の劣化による水漏れトラブルなども懸念されます。
お風呂天井のカビを掃除する方法は?
お風呂の天井は当然手の届かない高さにあるため、掃除が初めての方にとっては「どうやってやるの?」「難しそう」とハードルを感じてしまうかもしれません。しかし自宅にある掃除アイテムで簡単に掃除をすることができますので、是非今日から試してみてくださいね
用意する物
まずは掃除に使う物を用意しましょう。以下の物は必須になりますので自宅にない、という方はこの機会に買うことをおすすめします。以下でご紹介しているものはスーパーマーケットやインターネット通販などで購入することが可能です。
・長い持ち手がついたスポンジブラシ
・浴室用洗剤
・カビ取り用洗剤
・雑巾2枚
長い持ち手がついたスポンジブラシは、商品名で言うとクイックルワイパーのようなものをイメージしていただければと思います。室内フローリングの掃除用のアイテムのため、既に持っているという方も多いかと思います。できればハンディータイプなどの短いものではなく、十分天井に届く長さのものを用意するようにしましょう。
掃除手順
①スポンジブラシに浴室用洗剤を付け、天井を掃除する。
②シャワーで天井の洗剤と汚れを洗い流す。
③スポンジブラシに雑巾を巻き付け、天井の水滴を拭き取る。
④スポンジブラシにカビ取り用洗剤を付け、天井カビ部分を掃除する。
⑤30分程度放置し、スポンジブラシに取り付けた雑巾でカビ取り剤を拭き取り完了。
作業手順はいたってシンプルです。浴室用洗剤とカビ取り用洗剤が混ざり合わないように注意し、作業の際は必ず換気を行いましょう。シャワーを天井にかける際は真下にいると濡れてしまいますので、対角線上に立ってシャワーをかけると濡れずに作業できます。スペースがなくシャワーの水が跳ね返ってきてしまうという方は、スポンジブラシに雑巾を取り付け、雑巾を水で濡らして洗剤や汚れを拭き取るように掃除をしても問題ありません。
お掃除をしてもカビが取り切れなかった場合は?
カビが根深く上記の通りにお掃除したけど全然取れなかった、という場合にはプロのお掃除屋さんに依頼するのもオススメです。カビは人の目に見えない小さな胞子を飛ばして繁殖範囲を広げていますが、この胞子を人が吸い込んでしまうとアレルギー性肺炎など健康被害を引き起こす可能性があります。そのためカビを見つけたら早急に対応するようにし、自力で対応しきれない場合には思い切ってプロの業者にカビの除去を依頼しましょう。
カビは繰り返し発生する! 毎日したいカビ予防の方法は?
ご紹介したカビ取りの方法やプロの業者に依頼してある程度カビを改善することができても、カビは壁の中に根を張っているため完全に取り除くことは難しく、また条件が揃えば繁殖をし増えてしまいます。カビの発生を防ぐためにはカビが好む環境を排除して行く必要があります。毎日カビ取りの掃除をするのは大変ですが、ここでご紹介するカビ予防は毎日のお風呂の時間や掃除のにちょっとした動作をプラスするだけでカビ予防ができます。
高温のお湯をかける
カビは氷点下でも死滅しないと言われていますが、高い温度には弱く50度以上で死滅すると言われています。50度のお湯は人にとっても火傷の原因となる温度ですのでお風呂上りなどに、自分にかからないようにして浴室全体にくまなくシャワーなどでお湯をかけるようにしましょう。天井の隅や洗剤置き場などの裏側、浴室床の隅などカビが発生しやすい部分もしっかりお湯をかけましょう。
換気を十分に行う
シャワーを使ったりお風呂につかったりなどすることで、浴室内の湿度は簡単にカビが好む高湿度の状況になります。そのためお風呂から出る時には換気を必ず行うようにしましょう。窓が付いている方は窓を開けて換気を行う、というイメージがあるかと思いますが、実は換気設備を利用しての換気の方が効率よく換気ができます。そのため窓はしめたまま浴室内換気のボタンを押すようにしましょう。もしそのような設備がついていないという場合は、換気をしないよりは窓を開けて換気をした方がいいため、窓からの換気を行うようにしましょう。
お風呂には蓋をする
ご家族でお風呂を利用する際、次の人が入るまで少し時間があくな・・・という場合はお風呂の蓋をするようにしましょう。お風呂の蓋をしめることでお風呂のお湯が冷めてしまうことを防止する役割もありますが、浴室内の湿度が高くなりすぎることを防止することもできます。誰も使っていない時間が少しの時間であれば問題ありませんが、数十分から数時間あいてしまうなどの場合は蓋をしめるよう心がけましょう。
水滴を拭き取る
水垢はカビの養分となってしまうため、水垢を防止するために水滴を拭き取るということも効果的です。しかしこれは少し面倒な部分もあるかと思いますので、もし余裕がある方は少しずつ取り入れてみてくださいね。鏡の水滴を拭き取ることで頑固なうろこ汚れの防止にもなりますし、浴室をいつまでも綺麗な状態で使うことができます。カビの防止にも役立つ反面、見栄えを保つための一工夫でもあります。
定期的に浴室内を掃除する
天井だけではなく、浴室全体のお掃除も定期的に行うようにしましょう。石鹸カスなどの汚れなどは排水口をつまらせてしまうこともあるため、定期的なお掃除は大切です。天井のお掃除は週1回、その他のお掃除は週に2~3回ほどできると浴室内を綺麗に保つことができます。ひとつひとつカビ防止の効果があるものですので、できることから少しずつ試してみてくださいね。
まとめ
弊社では水回りトラブルの無料お見積り、修理を行っておりますのでお困りの際は是非ご連絡ください。関東エリア・東北エリア・東海エリア・関西エリアの各拠点にスタッフが待機しておりますので、お問い合わせから最短20分で駆けつけます。不安なことがありましたら是非ご連絡ください。