「家族のニーズに合わせて浴槽を広くしたい」「浴槽がひび割れてしまったので交換をしたい」などの理由で、お風呂の浴槽のみの交換工事を行われる方は多いです。しかし浴槽の交換と言っても、どんな浴槽の素材にするのかや、どんな形状の浴槽にするのか、さらには機能性にオプションをつけるかどうかでも金額が変わってきます。費用の相場が分からないと、予算を組むこともできないですよね。そのため今回の記事では、浴槽交換のリフォームを検討している方に向けて、浴槽交換の費用や種類別の特徴についてご紹介していきます。
浴槽の素材と費用
浴槽の素材には、実はいくつか種類があり、選ぶことができます。それぞれ施工費用も違いますし、素材ならではの特徴もあります。まずは浴槽の素材の特徴や、費用相場を一緒に確認しながら、浴槽交換リフォームのイメージを考えていきましょう。
FRP(繊維強化プラスチック)浴槽
費用相場:10万~30万円
現在の日本国内で一番普及しているのが、FRPと呼ばれる繊維強化プラスチックの浴槽です。繊維強化プラスチックは樹脂でできており、艶のある見た目と肌触りのよさが特徴です。軽量かつ耐久性があり、保温性にも優れているため、浴槽の素材としてはとても相性のいい素材と言えます。メンテナンスがしやすい素材で、表面の軽度な傷や塗装の剥がれなどは補修することで長く使い続けることができるのも、人気の理由のひとつです。
人工大理石
費用相場:10万円~40万円
天然の大理石風に作られた人工物ではあるものの、見た目に高級感を演出することができるため、浴槽を含めたさまざまな水回り設備に使用されている素材です。アクリル樹脂やポリエステル樹脂の2種類がメインで、そのなかでもアクリル樹脂の人工大理石は質がいいため高価になりやすいです。ポリエステル樹脂はアクリル樹脂よりもやや性能・見た目で劣るものの、色やデザインのバリエーションが豊富で、コストダウンを目指しながらもお洒落な浴槽を作ることができます。
人造大理石
費用相場:80万~100万円
人工大理石は樹脂で形成され大理石を含まない素材ですが、人造大理石は大理石を細かく粉砕してセメントや樹脂で固めた素材であるため、人工大理石よりも大理石の素材のよさを感じることができる素材です。高級感があり傷が付きにくいという特徴があります。一方で、追い炊き機能を付けることができなかったり、色移りや素材を傷める可能性があるため入浴剤などの使用制限もあります。一般的には高額な人造大理石ですが、使用している樹脂の種類やサイズによっては相場よりも安く購入することも可能です。
ホーロー
費用相場:10万~50万円
ホーローは高級感と重厚感のある浴槽素材として、人気があります。浴槽表面に施工された細かなガラスが、キラキラと上品な輝きを放つため、高級ホテルなどでも採用されるほどです。しかし最近では低予算でホーロー浴槽を販売しているメーカーもあるため、10万円代で浴槽を購入することもできるようになりました。FRP浴槽よりは高価になりやすい素材で、重さがある浴槽ですので、予算や建物の状況によって施工ができるかどうか予め検討する必要があります。
木製(コウヤマキ・ヒノキ・サワラ)
費用相場:30万~100万円
木製の浴槽に使われる素材は、「コウヤマキ」「ヒノキ」「サワラ」が主流です。その中でもヒノキは特に知名度も高く、お風呂の浴槽に取り入れたいと考えている方も多いかと思います。木製の浴槽は木製ならではの温かみのあるデザインや、木の香りに癒し効果があります。お風呂の雰囲気も一気に高級感が増すため、とても人気がある一方で、お手入れが大変であることも知られていますよね。一度の施工だけではなく、その後のメンテナンスも踏まえて木製の浴槽にするかどうかを決める必要があります。
浴槽の設置方法と費用
浴槽に使われている素材を決めたら、今度は浴槽の設置方法も考えましょう。浴槽の設置方法と聞いても、「よく分からない」という方も多いかと思います。そこでここでは、浴槽の設置方法についていくつかある種類を解説していきます。リフォームを検討している方は、素材だけではなく浴槽の設置方法についても、合わせて確認しておくようにしましょう。
据え置きタイプ
施工費用相場:5万~10万
据え置きタイプは、浴槽床の上にそのまま設置する方法で、海外では一般的な浴槽タイプですがユニットバスが主流の日本ではそこまで多くはないです。また、ユニットバスには採用できず、在来工法のお風呂にしか適応できないため注意が必要です。お風呂全体が床の上にのっているため高さを感じますが、高級感のあるデザインを作ることができるため、高級ホテルなどでもよく採用されています。広さのあるお風呂では特に据え置きタイプの浴槽ははえるため、ゆとりがある広さでリフォームを検討している方には、据え置きタイプの浴槽もオススメです。
半埋め込みタイプ
施工費用相場:10万~20万円
半埋め込みタイプの浴槽は、浴槽の3分の1程度の深さを床に埋め込む設置方法で、日本の住宅では一番多いタイプの設置方法です。洗い場で体を洗っていても隣の浴槽に影響することはなく、かつ負担なく浴槽に出入りすることができます。お風呂のスペースが広く取れないという住宅でも取り入れることができる浴槽タイプですので、広さを気にすることなく浴槽を選ぶことができます。
埋め込みタイプ
施工費用相場:10万~20万円
完全に床面に対してフラットに浴槽を施工したタイプの設置方法を、埋め込みタイプと呼びます。床面と浴槽の段差がないため出入りがスムーズではあるものの、浴槽から出る場合は浴槽分の高さがあるため、転倒防止対策に手すりの設置を検討する必要があります。またお風呂のスペースに十分な広さを必要とする施工タイプで、狭いスペースで埋め込みタイプにしてしまうと、洗い場から石鹸類などの泡がお風呂に入り込んでしまいやすくなります。全体的に見るとフラットで、広く高級感のあるデザインにすることができます。
浴槽の形状
浴槽の設置方法について知っていただくことができたかと思います。浴槽の素材と設置方法を決めたら、今度は浴槽の形状も考えていきましょう。浴槽の形状は家族のニーズなどによって、選ぶ種類は家庭それぞれです。そのため、家族の意見と照らし合わせながら、なにが必要かぜひ考えてみてくださいね。メーカーのショールームなどでは、実際に浴槽に入って深さや形状の確認なども体験できるため、気になる浴槽の形状があり試してみたいという方は、メーカーのショールームに行くのもオススメですよ。
ストレート浴槽
一番スタンダードなタイプが、こちらのストレート浴槽です。縦のサイズにもよりますが、一般的なサイズであれば男性でも肩までしっかりつかることができ、ある程度足に余裕を持って伸ばすこともできます。また床面がフラットなため、お子さんと一緒に肩を並べてお風呂に入る、といったことも可能です。家族とお風呂に一緒に入る機会が多い方や、足を伸ばして入りたい方にはピッタリです。
ワイド浴槽
ストレート浴槽よりも浴槽に幅があり、ゆったりと入ることができる浴槽タイプです。お子さんと肩を並べて入るということもできますし、ワイド浴槽があることによりお風呂の高級感も出ます。しかし横幅があるため、狭いお風呂場の場合は洗い場スペースが狭まってしまうことも考えられます。十分なゆとりがあるスペースに設置するのがオススメです。
卵型浴槽
浴槽部分が卵型になっている卵型浴槽も、最近は人気があります。丸みのある浴槽曲線が柔らかい雰囲気を演出し、ゆとりのあるお風呂に見せてくれます。足を伸ばしたいという方であればある程度浴槽の縦の長さも確保しておく必要がありますが、卵型の分横幅はストレート浴槽よりもふくらみがあるため、ゆとりのある浴槽を叶えてくれます。
エスライン浴槽
エスライン浴槽は、浴槽内に段差が設けられている浴槽です。段差の分お湯の節約できますし、入浴時の腰掛としても使うことができます。節約をしながらも、お風呂を楽しみたいという方にはピッタリです。エスライン浴槽はパナソニックの商品ですので、気になる方はパナソニックのカタログなどを見て見てくださいね。
浴槽交換するならお風呂全体のリフォームがオススメ!
浴槽について種類や費用もふくめ、知っていただくことができたかと思います。浴槽のリフォームを真剣に検討したい、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな浴槽のリフォームを検討している方にオススメしているのが、お風呂全体のリフォームです。浴槽交換だけ検討していたという方には「なぜお風呂全体のリフォームまでする必要があるの?」と驚かれるかもしれませんが、そこにはきちんとした理由があります。最後に、浴槽交換だけではなくお風呂全体のリフォームをオススメしている理由をお伝えして終わります。
お風呂全体の劣化に対処できる
浴槽の劣化やひび割れなど、なんらかの不都合が生じて浴槽のリフォームを考えている方が多いかと思いますが、お風呂の浴槽が劣化している場合は同様にお風呂全体が劣化し始めている可能性があります。お風呂の劣化を放置すると、最悪の場合水漏れトラブルなどにつながる恐れがあります。特にお風呂の床下からの水漏れなどは気付きにくく、大きなトラブルになりやすいため注意しなければいけません。目に見える部分だけが劣化している、というわけではありませんので、浴槽を交換するタイミングでお風呂全体のリフォームを行い、劣化に早めの対処をすることをオススメしています。
お風呂全体の雰囲気を合わせることができる
既存の浴槽とデザインや色合いの違う浴槽を選んだ場合、既存部分のお風呂の床やパネルなどと浴槽が浮いてしまうことがあります。部分的まリフォームではこうしたチグハグなデザインになってしまうこともあるため、注しなければいけません。お風呂全体のリフォームでは、選んだ浴槽の雰囲気に合わせてお風呂全体の雰囲気を決めることができるため、チグハグなデザインになることを防げます。
細々とした修理費用がかからない
浴槽だけを交換して浴槽のトラブルが解決できたとしても、その他の部分でこれから水漏れトラブルなどが発生する可能性があります。そうなると、その都度修理費用やリフォーム費用がかかるため、細々とした出費が続いてしまうのです。お風呂の全体のリフォームをしてしまえば、劣化している部分も新しい物に変えることができるため、お風呂全体のトラブルが減り細々した出費も減ります。お風呂の寿命や今後のメンテナンスを考えれば、リフォーム時の費用は高く感じますが、長期的な目線では維持費が安く済むと捉えることもできます。
まとめ
弊社では水回りトラブルの無料お見積り、修理を行っておりますのでお困りの際は是非ご連絡ください。関東エリア・東北エリア・東海エリア・関西エリアの各拠点にスタッフが待機しておりますので、お問い合わせから最短20分で駆けつけます。不安なことがありましたら是非ご連絡ください。